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大阪地方裁判所 昭和44年(ワ)4805号 判決 1971年8月30日

原告

渡辺孝人

ほか二名

被告

西田賢二

ほか一名

主文

一、被告らは各自

原告渡辺孝人に対し金一四九万四、〇八〇円

原告渡辺孝成に対し金七万四、二六〇円

原告渡辺シゲ子に対し金七万三、〇〇〇円

と右各金員に対する昭和四六年五月二七日から各完済に至るまで年五分の割合による金員を支払うこと。

二、原告らその余の請求を棄却する。

三、訴訟費用はこれを五分し、その一を原告らの、その余を被告らの負担とする。

四、この判決の一項は仮りに執行することができる。

事実及び理由

第一当事者双方の申立

(原告ら)

被告らは各自

原告渡辺孝人に対し金四〇九万一、四三二円とこれに対する昭和四六年五月二七日(訴変更申立書送達の日の翌日)から完済に至るまで年五分の割合による金員を

原告渡辺孝成に対し金九〇万三、四八〇円とこれに対する右同日から完済に至るまで年五分の割合による金員を

原告渡辺シゲ子に対し金七九万四、四〇〇円とこれに対する右同日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払うこと

訴訟費用は被告らの負担とする

との判決ならびに仮執行の宣言。

(被告ら)

原告らの請求を棄却する

訴訟費用は原告らの負担とする。

との判決ならびに仮執行の宣言。

第二当事者間に争いのない事実

一、傷害交通事故の発生

とき 昭和四三年五月二六日午後六時二〇分ごろ

ところ 京都府乙訓郡長岡町大字馬国道一七一号線通称「弓場交交差点」附近南行路上(全幅約一五メートルの舗装路)

事故車 小型乗用自動車(ホンダN三六〇)

右運転者 被告西田賢二

被害者 原告渡辺孝人(事故車助手席に同乗)

態様 事故車が毎時約八〇キロメートルの速度で南行中、障害物を避けようとして転把したはずみに左へ横転し、原告が車外へなげ出されて負傷した。

二、帰責事由

根拠 被告西田賢二 民法七〇九条

事由 被告西田昇は事故車の所有者であり、被告西田賢二は前叙のとおり法定の制限速度を超えて事故車を運転した過失により本件事故を惹起した。

第三争点

(原告ら)

一、原告渡辺孝人の受傷内容

傷病名 頭蓋骨骨折、左硬膜上下血腫、顔面裂創、左鎖骨骨折。

入院期間 昭和四三年五月二六日~同年一〇月七日

通院期間 昭和四三年一〇月八日~昭和四四年六月末日

(以後昭和四四年九月末日まで自宅療養)

後遺症状 脳波上右半球に振幅大で稍波的傾向が認められ、視力減退のほか時々頭重、めまい感を覚え、右頭蓋に陥設部(骨欠損部)、変形をとどめる(後遺症等級一二級)。

二、損害

(原告渡辺孝人)

1  逸失利益 一七万五、〇〇〇円

逸失利益

右算定の事由は左のとおり

職業 事故当時大阪府立生野工業高等学校電気科第三学年に在学中(従つて無職)であつたが、本件受傷により就学不能となり、やむなく昭和四四年三月同校を退学した。

本来なら、昭和四四年四月就職していた筈である。

月収 右高等学校卒業と同時に就職していたとすれば、一カ月二万五、〇〇〇円を下らない月収を得ていた筈である。

休業 昭和四四年四月~同年九月。

損失利益 右期間の得べかりし月収と、一カ月分を下らない賞与。

2  治療費 七五万九、四〇〇円

右は、原告孝人が蘇病院での治療に要した費用合計一二五万九、四〇〇円から自賠責保険金によつててん補された五〇万円を除く残額である。

3  慰藉料 一五一万六〇〇〇円

前に述べた原告孝人の受傷の部位、程度(頭蓋骨の一部を摘出する手術を受け、まさに瀕死の重傷を受けた)、治療経過、中途退学、後遺症などから同原告のうけた精神的苦痛を慰藉するものとして(入院一カ月につき二〇万円、通院一カ月につき七万円の割合)、右金額を請求する。

4  弁護士費用 六四万一、〇三二円

被告らは、本件事故による原告渡辺孝人の右損害につき言を左右にして賠償に応じようとしなかつたため、同原告はその訴訟代理人に本訴提起を委任し、大阪弁護士会報酬規定相当の左の弁護士費用を負担しなければならなくなつた。

着手金 二九万六、〇三二円

謝金 三四万五、〇〇〇円

(原告渡辺孝成)

1  治療関係諸雑費 合計二三万二、三〇四円

原告渡辺孝成は、実子たる原告渡辺孝人、通院治療にともない、左の諸雑費の出捐を余儀なくされた。

ねまき(夏物・冬物各二枚) 三、六〇〇円

オシメ・オシメカバー 一、七六〇円

シヤツ・パンツ(夏物・冬物各二枚) 一、四〇〇円

タオル二〇枚 一、四〇〇円

氷枕、氷のう 七〇〇円

氷代 一万二、〇〇〇円

ガス代 六、〇〇〇円

飲料水代 一万四、八〇〇円

ねござ 七〇〇円

ビニールカバー 六〇〇円

鍋、釜、フライパン、皿 五、〇〇〇円

電話料 八、〇〇〇円

原告孝人入院中の原告孝成(父)と原告孝人の姉の交通費 二万一、八四〇円

(肩書住所―阿倍野―京橋―中之島―蘇病院)

原告孝人の通院交通費 一万二、七五〇円

(昭和四三年一〇月八日~昭和四四年六月三〇日のうち三〇回分)

手伝人食事代 三万九、〇〇〇円

着衣損傷(原告孝人着用)

ズボン 三、八〇〇円

カツターシヤツ 二、〇〇〇円

靴 一、〇〇〇円

時計 八、〇〇〇円

栄養食費 三万二、〇〇〇円

医師に対する謝札 一万六、〇〇〇円

看護婦に対する謝札 四、〇〇〇円

退院時における看護婦への謝札 二、四〇〇円

大阪市立桃山市民病院における原告孝人の後遺症検査料 二万三、七四四円

右検査のための入院中の諸雑費 三、八一〇円

2 逸失利益 四万八、一五〇円

右算定の根拠は左のとおりである。

職業 佐野安船渠株式会社船舶工作部船穀課伍長心得

日収 三、二一〇円(事故前三カ月間の全収入二三万一、一六六円をその実働日数七二日で除して得た金額)

3 慰藉料 五〇万円

原告孝成は、その一人息子である原告孝人の卒業と就職を楽しみにしていたところ、同原告が本件事故により前叙のとおり瀕死の重傷を受け、中途退学のやむなきに至るなど、これによつて受けた精神的打撃は極めて甚大なものがある。それ故原告孝成は精神的損害の賠償として右金員を請求する。

4 弁護士費用 一五万六、〇九〇円

原告孝人と同様の理由で、左の金額を請求する。

着手金 七万八、〇四五円

謝金 七万八、〇四五円

(原告渡辺シゲ子)

1  附添料相当の損害 一六万二、〇〇〇円

原告シゲ子は原告孝人入院中の全期間(一三五日)同人に附添つて看病し、一日一、二〇〇円相当の労働に従事した。

2  慰藉料 五〇万円

原告シゲ子は原告孝成と同様にして、一人息子の本件受傷により多大な精神的苦痛を甘受した。これを慰藉するものとして、右全額を請求する。

3  弁護士費用 一三万二、四〇〇円

原告孝人と同様の理由で左の金額を請求する

着手金 六万六、二〇〇円

謝金 六万六、二〇〇円

三、本訴請求

よつて、原告らは、それぞれ被告らに対して請求の趣旨記載の金額とこれに対する同所記載の日から完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

(被告ら)

一、被告西田昇に対する自賠法第三条による賠償請求権の不存在

被告西田昇は事故車の所有者で抽象的にはこれを支配しているものである。さりながら、本件事故当時は、訴外石田、被告西田賢二、原告孝人の三名が被告西田昇の関与しない所で、長距離ドライブを行つていたものである。その間同被告の具体的運行支配はなく、また運行利益も有していなかつた。それらを有していたのは、右石田、被告西田賢二、原告孝人の三名に外ならない。かかる場合、原告孝人ら右三名は、被告西田昇に対して外部的にはともかく、内部的には運行供用者の地位に立つもので、自賠法三条による責任を相対的に否定されるものである。

仮りに右主張が認められないとしても、同原告は同条の適用を排除される(運転補助者)に該るものであるからこの点においても、同条による原告孝人の賠償請求権は否定されるべきである。

二、好意同某による賠償額の減額

訴外石田、被告西田賢二、原告孝人の三名は友人であり本件事故当日は無償で事故車を供用していたものである。このことは、公平の原則上、原告孝人の慰藉料算定のうえで充分斟酌されるべきである。

更に付言するに、被告西田賢二は、本件事故の場合、制限(法定)速度を二〇キロメートル毎時も超過した速度で危険な運転をなしていたものであるところ、原告孝人において、これに対し何ら制止などせず危険運転を容認していたものである。かかる事情下に生じた損害の全額を被告両名に負担させることの不公平であることは明らかである。

三、原告孝人の後遺症の程度

原告孝人は、労災一二級相当程度の後遺症がある旨主張するけれども、刃物を用い、高度の精神的緊張と一日中立つたままの仕事である理髪職の見習を終え、アルバイトとはいえ重労働にも充分堪えていたものである。いう処の中途退学も、本件事故前から留年をするなど、普通人の能力に及ばないところがあつたものであつて、本件事故により精神作用に欠陥を生じたためではない。

四、弁済

被告らは原告孝人の治療として五五万円(本訴請求外)付添費として二万九、七八〇円を支払つている。

第四証拠関係〔略〕

第五争点に対する判断

一、原告孝人の受傷内容

傷病名 原告ら主張のとおり。

入院期間 同右

通院期間 同右

後遺症 頭部外傷Ⅲ型による頭脳の軽度機能低下、神経衰弱症状(易疲労性、頭痛、頭重、注意力散漫、判断力、記憶力低下)、頭蓋骨右側部に陥没(骨欠損部、直径約七センチメートルの環状形、縦約三センチメートル横約六センチメートルの長方形)〔証拠略〕

二、被告会社の責任根拠

本件事故に至る経緯は左のとおりであつたものと認める。原告孝人(当時一八才)、訴外石田武(当時一八才)、被告西田賢二(当時一八才)は、いずれも大阪市立生野工業高等学校電気科三年A組の同級生で、右原告孝人と石田、石田と被告西田賢二が特に親友の間柄で、自然右三名は仲のよい友達であつた。右三名は昭和四三年五月二〇日ごろ同月二五日右学校の中間考査が終るので、翌二六日右三名と他に車をもつている山野某とで京都嵐山へドライブに出かけることを約束した。当日原告孝人が父渡辺孝成と理髪店へ調髪に赴いていたところ、被告西田賢二が兄西田昇所有の事故車を運転し(殆んど毎日のように同車に乗つていた)、訴外石田と共に原告孝人を誘いに来て、同日午後一時ごろ、右三名が事故車により(無償)被告西田賢二の運転で、山野某は別の車で、嵐山へ向け出発した。到着後嵐山で泳いだり(一五分位)、遊んだりして、同日午後五時頃再び事故車により被告西田賢二の運転で、助手席に原告孝人、後部座席に訴外石田が同乗し、山野某の車は後続する形で大阪へ向け帰途についた。途中、本件事故現場附近は、南行路と北向路が分離されていて走行し易い所でもあつたため、被告西田賢二において毎時八〇キロメートル位の高速で運転走行し、原告孝人において、後方を向いて山野の車の様子をうかがつている中、同被告において前方に停立してい人影を認め、これを避けるべく左に転把し、更に右に転把して元の進路にもどろうとした際道路右側土手に当りそうになり、あわてて左へ転把したところ高速であつたため安定を失し、いきなり路上で数回横転し、原告孝人は車外へほうり出され、他の二名は車内で傷ついた。なお、原告孝人は自動二輪の運転免許を有していた。〔証拠略〕

処で、自賠法三条の他人に該当する者は、運行供用者に対し原則として全面的に賠償を請求し得るものではあると理解されているけれども、他人性と運行供用者性とは、しかく対立的なものでないこと、共同運行供用者の一人が被害者になつた場合、同人が責任主体の地位にあるとして保護の埓外におくことが、社会的妥当性を保し得ないところからも明らかである。両者は、一方が責任主体、他方が保護の対象範囲という問題であり、事案に応じて同一人でも責任主体側に位置したり、保護される側に位置したりすることのある、相対的なものというべきである。常に一方を固定的に把握しなければならない論理的必要然性は存しない筈である。そして更に、本来的には「他人」の地位にある者が、完全に「運行供用者」の地位に転位する迄の間には様々な態様が存し得るし、その間にあつては、両者の地位を併有するものと考えるのが妥当である。しかして両者の中間に位するか、賠償義務者つまり運行供用者の地位により近い場合、賠償義務が賠償請求権を越えて同一人に帰属する結果となり、混同と同一現象により、その賠償請求権は否定される結果となる。されば、被害者であるからとて常に「他人」として保護されるべきものではなく、同人が取得していた運行供用者性の程度の大小によつて、一定割合の損失負担に任じなければならないものと考える。その分担割合決定の基準は、賠償理論を貫く公平の観念に指導される。

本件についてこれをみるに、前認定の事実からすれば、被告西田賢二、原告孝人、訴外石田の三名は、少くとも、事故当日の午時一時ごろから京都嵐山を経て帰阪するまで、事故車による運行利益の帰属主体であり、その間運転者たる被告西田賢二において危険物たる事故車の管理義務を負い原告孝人、訴外石田においてその補助者的地位にあり、反面同車に対する支配権を被告西田賢二において保有し、原告孝人、訴外石田において同被告に従属して保有し、他方被告西田昇については、同人の弟が普段と同様にして事故車をもち出しているところからして、その支配権は失われていないこともとよりである。かかる事情からすれば、原告孝人は、本件事故につき、被告西田昇との関係において、完全なる「他人」の地位にあるものではなく、その三〇パーセントを失い、結局原告らは自ら三〇パーセントの損失を負担すべきものと評価するのが相当である。

なお、被告西田賢二に対する原告らの請求権も、同被告と原告孝人が同じクラスの友人であり、同被告の速度超過の運転をその傍に同乗していて充分認識していながら、これを制止することなく後方の同僚車の方を向いていた点等から、損害の全額を同被告に負担させるのは公平の観念上妥当ではなく、その三〇パーセントを民法第七二二条により減ずべきが相当である。

三、損害

(原告孝人)

1 逸失利益 一七万五、〇〇〇円

同原告主張のとおり認める。〔証拠略〕

2 治療費 七五万九、四〇〇円

同原告主張のとおり認める。〔証拠略〕

3 慰藉料 一二〇万円

前に認定した原告孝人の受傷の部位、程度(意識喪失約二週間)、治療経過、後遺症、中途退学等により同原告のこうむつた精神的苦痛を慰藉するものとして、右金額を相当と認める。

4 弁護士費用 一五万円

原告孝人がその訴訟代理人に本訴提起を委任したことは本件記録上明らかであり、相応の弁護士費用の支払義務を負担していることもまた弁論の全趣旨に徴し明らかであるところ、本件事案の内容、審理の経過、後記認容額その他諸般の事情を総合して、右金額を本件事故と相当因果関係のある損害と認める。

(原告孝成)

1 治療関係諸雑費 六万六、三四四円

<1> 入院雑費 四万二、六〇〇円

先に認定した原告孝人の入院期間中(蘇病院一三五日)と原告孝成本人尋問の結果認められる桃山市民病院へ入院した一週間につき社会通念に照らし一日三〇〇円の割合で合計四万二、六〇〇円の諸雑費を要したものと認める。

<2> 通院交通費 認められない。

証すべき証拠はない。

<3> 桃山市民病院検査料 二万三、七四四円

〔証拠略〕

2 逸失利益 二万五、四五七円

右算定の根拠として特記すべきものは左のとおり。

職業 原告孝成主張のとおり。

月収 七万六、三七三円(但し昭和四三年三、四月の平均)

休業 一〇日(一七日の内有給休暇利用五日、及び休日を除く)

算式 七六、三七三×一〇÷三〇=二五、四五七円

3 慰藉料 認められない。

原告孝成が、その子原告孝人の本件受傷により、多大な精神的苦痛を感じたであろうことは推測に難くはないけれども、その程度は未だ被害者たる原告孝人が生命を害されたときにも比肩すべき精神上の苦痛を受けたものとは解し難いので、原告孝成自身の慰藉料請求はこれを認めない。

4 弁護士費用 一万円

原告孝人と同様にして、右金額を本件事故と相当因果関係のある損害と認める。

(原告シゲ子)

1 附添料相当の損害 九万円

原告孝人が蘇病院に入院中の九〇日間附添を要し、同期間原告シゲ子が附添看病をなしたので、一日一、〇〇〇円の割合で右損害を認める。

〔証拠略〕

2 慰藉料 認められない。

原告孝成と同様の理由による。

3 弁護士費用 一万円

原告孝人と同様にして、右金額を本件事故と相当因果関係のある損害と認める。

四、弁済

被告ら主張の弁済については、これを証すべき的確な証拠がない(附添費についても、被告西田賢二の漠然とした伝聞供述が存するにとどまり採用し難い)。

五、控除

先に認定したとおり、本件事故につき、被害者側たる原告らの賠償請求権は、損害総額の七〇パーセントに止まるべきであるから、原告孝人については蘇病院の治療費全額を計算の基礎とし、各その弁護士費用を除く分の三〇パーセントを控除する。その結果は左のとおりとなる。

原告孝人 二、六三四、四〇〇×〇・七=一、八四四、〇八〇(円)

同孝成 九一、八〇一×〇・七=六四、二六〇(円)

同シゲ子 九〇、〇〇〇×〇・七=六三、〇〇〇(円)

原告孝人の右一八四万四、〇八〇円については、これから既に支払われている治療費五〇万円を控除する。その結果同原告の残存損害額(但し弁護士費用を除く)は一三四万四、〇八〇円となる。

六、以上の次第により、被告らは各自原告孝人に対して金一四九万四、〇八〇円、原告孝成に対して金七万四、二六〇円、原告シゲ子に対して金七万三、〇〇〇円と右各金員に対する昭和四六年五月二七日(記録上明らかな訴変更申立書送達の日の翌日)から完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払う義務がある。

よつて、原告らの本訴請求は右の限度で理由があり、その余は理由がないから、訴訟費用の負担につき民訟法八九条、九二条、九三条を、仮執行の宣言につき同法一九六条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 中村行雄)

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